機械の普及により人間の仕事は減る。
これは当たり前の道理であるが、人は社会で価値を提供する以上新たな雇用は創出される。
今ある仕事の8割はなくなる
あるとき、GoogleのCEOが語ったのは、
『今ある仕事の8割は望まざるとも機械に代替される』
という言葉。間違いなくそういった時代がくるだろう。タクシーは無人で走るようになるし、コンビニのレジも機械がやってくれる。飲食店なんかは一部の高級店を除いては人はいなくなるのかもしれない。
ファストフード=自動販売機のようにさっと機械が作って料理が出てくるという光景もあるだろう。
人間ができることを機械がやってくれるのは素晴らしいことだ。改札で駅員が切符を切るのではなく改札機があることによって多大にスピードは向上した。全ては機械の恩恵である。そのことに疑いはないし、機械の活躍の場はこれからも増えるだろう。
雇用は減っていい
こうした仕事が機械に代替されるということに対して『雇用が減る』ということを言う人間がいるがそれは間違っている。逆のことを考えてみればいい。
改札機を雇用を増やすために廃止してみよう。駅にはラッシュ時に対応できるように10人ほどの駅員を切符の確認のために用意する。すると、10人ほどの雇用は増える。はたしてこれは社会にとって有益であろうか?その10人は他の仕事をしていたはずであるからそれができなくなってしまう。機械を廃止して人間を動員すればホームレスにも雇用が生まれるかもしれないがその分サービスの質や量は落ちる。生活のレベルが落ちるのだ。
考え方を変えてみよう。人間の豊かさとはサービス・プロダクトの総合量だ。トータルで受けることのできるサービスの量が増えればそれだけ生活は豊かになる。
たとえ1円も収入がなくてもなんでもタダで食べれて電車にもなんでも乗れればそれは幸せだ。まるでドラえもんの世界のように素晴らしいことが起こる。
要するに、サービスの総和、それをどう分配するかも含めて社会にとって必要なのであるがそれについて機械が加われば加わるほど余った人間は他のサービスに従事すればいい。機械が全てをやってくれたら人々が働かなくてもそれだけのサービスの量にいきつく。
もちろん、問題なのはその職からあぶれた人が貧しくなっていては意味がないということだ。新たな雇用を生み出す必要がある。
娯楽はこれから増える
もしも単純労働者が全て機械に変わったら、そのあぶれた人たちは別の形で仕事をするかベーシックインカムなりでお金を手にいなければいけない。ゼロ円で全てのサービスが受けられる世界は少し現実味がない。
となるとどんどん必要なことは機械がやるから、娯楽などの産業に人々は進む。娯楽は機械が増えた分だけ増えてもおかしくはない。現に娯楽の量は今までよりも増えている。
機械が普及して何が人生で豊かであるかというと、インフラや食料などの圧倒的に生活に必要なもの以外にリソースを投下できることだ。なくても困らないものをどんどん充実させられる余裕が出てくる。もしかするとアーティストはこれから増えるかもしれない。
いずれにせよ、今後今必要でなくなったら困る仕事の8割は機械がやってくれる。その時点でサービスの総和は変わらない。すると残りの労働力はサービスを増やす方向に進む。機械はきっと人を豊かにする。