爆発的なヒットを飛ばすUber。
交通網へのインパクトをもたらす同社ははたして人口爆発を救うのか。
Uberというベンチャー企業
Uberという企業、アプリをご存じだろうか。
配車アプリと呼ばれるこのサービスは、タクシーを呼ぶかのようにUberを呼ぶことができる。このUberにはタクシーである必要はなく個人が自分の車でUber業を営むことができる。このシステムによってタクシーに頼らない車による移動は圧倒的に利便性が高くタクシー業界の脅威となっている。
世界各国では、その脅威に対してタクシー業界は猛反発。ヨーロッパではデモが起こったほどだ。それほどまでにUberのテクノロジーはタクシーや車移動の概念を覆すものとなるかもしれない。今では時価総額5兆円となったUberであるがLINEの出したLINE Taxiなどのサービス(『LINEのMAU伸び悩む。次のステージか』参照)含め、共存や競争の可能性が考えられる。スマホでタクシーを呼ぶ時代はもうきている。
Uberが都市部の人口爆発を救う
Uberは都市部の人口爆発を救うのかもしれない。このUber幹部の発言によると、車離れが進み都市部への回帰が増えていることで今後10~15年で都市部の人口は急激に増加、渋滞の問題はさらに悪化するだろうとされている。ところが、かといって道路の交通網を新たに構築する余裕が都市にあるわけではない。
その際にそれを解決するのがUberかもしれない。純粋に流通する車の量を減らすことによってしか解決はできないだろうというのだ。Uberが普及すれば人々は車をわざわざ持たずともいつでも配車できる。それだけの交通網で解決が可能になるかもしれない。それについて考えてみたい。
渋滞解消への最高の道筋は自動運転
そもそもなぜ渋滞が発生するかという話ではあるが、渋滞は車同士の車間距離が狭くなりすぎた時に車のスピードを落とすことが連鎖することによって起こる。一定間隔が常に保たれていれば渋滞など存在しえない。車間距離が1kmあればそれこそ渋滞はありえない。
その渋滞解消への抜本的な改革は機械による運転であろう。人間が運転するからミスが生じるし、機械が適切な車間距離を保ちながら運転を行えばまず渋滞は起こりえない。ひょっとするとUberなどによる車の量の減少よりもロボットによる運転の方が圧倒的に渋滞を解決するかもしれない。
タクシーとバスのハイブリッド
渋滞ももちろん大きな問題ではあるのだが、もう一点鉄道機関における満員電車も非常に大きな問題ではないだろうか。それ自体は運搬ができるから問題ないのかもしれないが人間がすし詰めになっている様を見ているとそれには解決の余地があってしかるべきだ。
ただ、鉄道自体を改善することがどれだけできるかというとそれは難しい気がする。
そこで我々が考える一つの策は、タクシーとバスのハイブリッドである。常に行き先が決まっている中型の15人ほどが乗れる車を走らせておく。その行き先が一致していれば人はそれに乗る。電車みたいにタッチで料金は済ませればいい。問題は都市は1次元ではなく最低でも地図的に2次元であるから行き先が一致するということがどれだけあるかということである。鉄道と違って流動性がなければ不安定な部分も多い。そう考えると無人タクシーを常に走らせる方がいいのかもしれない。
ただ、バスは無人化すれば運転手の人件費がいらないからもっと小型化できるはずだし、もっと流通網をきめ細かくできるはずだ。何より満員電車にすし詰めになっているサラリーマンを見てこの国が豊かだとは感じない。