東京は世界一一極集中が起こっている都市なのかもしれない。
それを示すデータと共に日本の東京一極集中の今後を占う。
東京への一点集中へ
橋下徹氏の打ち出した大阪都構想が敗れたその日、橋下氏の政治家引退を惜しむ声と同時に1つの悲鳴が上がっていた。
『もう能力を持った若者は大阪には留まらない。東京しか居場所がなくなる。』と。
大阪都構想による二重行政の撤廃により、大阪府および大阪市の財政難は解決されるはずであった。ところがそれが成し遂げられなくなったそのとき、大阪の財政改善への道筋は経たれ、これから大阪は利権の汁を吸う老人のみが集まり、活力を失うと、そういった嘆きがあった。
なぜ企業は東京へ集中するのか
現在多くの企業は東京へと集中している。もちろん、大阪や京都、愛知に存在する大企業もあるのだが多くは東京、そして神奈川の首都圏へと集中している。もちろん、日本以外でもそうした傾向は見られるものではあるが、日本ではそれは特に大きいように思える。東京へ人口が非常に偏っており、それは世界の鉄道駅の乗降客数でトップ10位までを日本が全て独占する中、首都圏以外では大阪と名古屋しか存在しないことからも非常に東京の人口は多いことが分かる。
世界一の都市とも言えるニューヨーク都市圏の人口が2136万人なのに対して、東京都市圏の人口は3460万人となっており、どれだけ東京への集中があるかが分かる。また、年間収益10億ドル以上の企業で本社を置く数では、2位のニューヨークが217位なのに対して東京は613である。圧倒的に東京に集中していることが分かる。
東京への一極集中の原因は政治と経済が共に東京にあることや、そこからなる金融などの主要企業の東京への集中、そしてIT産業などの地方への進出が考えられる業界においても日本では顔を突き合わせて仕事をする習慣が根強いことから地方で事業を行うメリットよりもデメリットが大きくなってしまうことがあるだろう。
さらには、人口の減少により今まで以上に地方が廃れていることから若者が逃げるように東京へと向かうことも挙げられるだろう。人口が減るのだから東京に集まるしかチャンスがないというもの1つ納得できる話ではある。
今後も一極集中は続くのか
このままの行政の機能が東京であり続ける限りは大阪や愛知に人口が東京から流入することは残念ながら考えにくい。企業にとっても働き手にとってもそうしたメリットがあまりに薄い。
本来、時代の流れからするとIT産業によって地の利というものは薄くなり、田舎からでも世界中にサービスを提供できるようになるはずだった。しかしながら、オンライン上のみで仕事を完結させることは難しく、IT企業は優秀な人材を集めるためにこぞって東京へ本社をかまえることとなった。そうした背景もあり、東京一極集中がさらに強まっている現状がある。
人材の確保という観点からするとどうしても、東京一極集中は避けられないのかもしれない。楽天が本社を郊外の二子玉川に移したように(しかし渋谷へは急行で9分である)、東京であれば霞ヶ関・丸の内に必ずしも集中はしないことになるかもしれない。それでも東京都内から出るという選択肢は現在の企業にはそうないだろう。東京一極集中はまだまだ続くと想定される。