日本ではLINEが引っ張るメッセンジャー市場。
はたしてその行く末はどんなものになるのだろうか。
熾烈を極めるメッセージアプリ市場
メッセージアプリおよびSNSの市場をけん引するのはFacebookである。FacebookにFacebook Messengerという自社のサービスのみならず、Instagram、そしてワッツアップを傘下に収める同社はこの分野でトップにいることは間違いないだろう。
Instant Articlesといったニュースフィード上で記事がそのまま(リンクを飛ばずに)読める仕様をリリースするなど、この市場では常にトップランナーであることは間違いない。Facebookの動向いかんで他のサービスが大きく影響を受けるような勢力図になっている。
ビジネス志向に特化したFacebook Messenger
メッセージアプリの市場の中で色が違うのはFacebook Messengerである。Facebookが実名制であることから、Facebook Messengerも実名の利用であり、ビジネスシーンでの利用としてはLINEやワッツアップなどのメッセンジャーと比較して適している部分がある。
さらにはバーチャル名刺機能など、他のメッセンジャーにはない機能が充実している。日本ではそこまで普及していない気がするが、LINEなど自由な名前での登録になっているメッセンジャーと比べて実名であることから検索がしやすいなどの利点もあるという。
ニュースアプリを飲み込むメッセンジャー
メッセンジャーと言うとクローズドなSNSとしての役割が大きい。ほとんどのメッセージアプリについてはもともと知り合いであるユーザーとしか接点を持たない。FacebookやTwitterでは広告の投稿が流れてくるなどある程度オープンな部分があるが、メッセンジャーを使っている場合についてそれは起こり得ない。そういった部分で、メッセンジャーに付帯した機能をつけることは難しい部分がある。
そんなメッセンジャーの打った手はニュースアプリを飲み込むというものである。LINE上でニュースアプリの記事を読むことができるなど、今やインターネットのテキストメディアはFacebookやLINEなどのメッセンジャーからの流入を強く意識する時代になっている。ユーザーからしても今の時代にわざわざメディアをそのサイトをブックマークしたり検索したりそこまでいって閲覧ということは面倒になってきている。
出典 http://k-tai.impress.co.jp/
新しい形の記事を提供する『Discover』
Snapchatの施策は新時代のコンテンツにおけるあり方を物語っている。Snapchatでは『Discover』というニュースのプラットフォームがあり、CNNやDailyMailなどのメディアが寄稿している。特筆すべきは『Discover』では縦型動画という従来とは異なった形の広告が存在する。
記事の間に動画広告が存在し、そのエンゲージメントは非常に高く、従来の横型の動画と比べると9倍にも及ぶという数字も存在する。動画型のコンテンツおよび広告は今後大きなトレンドとなりそうだ。分散型メディアの代名詞であるBuzfeedの流入はFacebook経由が27%、自前のアプリが23%、Snapchatは21%という数字になっている。このことからもSanpchatの動画コンテンツへのトラフィックはFacebookに匹敵する部分があると言えそうだ。
ニュースとの融合が今後のカギか
現状を見る限り、メッセンジャーアプリの立ち位置としてはメッセンジャーとしてコミュニケーションの用途とともにそこに対してニュースなどの日々の生活の中で毎日使う機能を取り揃えてくるだろう。そうした形が相性がいいのは間違いない。Snapchatを見る限りはそこに特に、”暇つぶし”という要素が重要になってくるように思われる。Snapchatがまさにそういった性質を強く持っている。
現状でそのソリューションはニュースであり、ほかには存在しないように思える。今後さらなるブレイクスルーに注目である。