動画マーケティングの可能性は


動画の時代が来ると言われてから久しい。
しかし、今のこの現状を見る限り動画はテキストに勝るレベルにはなっていない。動画マーケティングの可能性は、そして未来はどのようなものなのだろうか。

動画全盛の時代へ

今、動画と言えば分散型メディアが挙げられるだろう。料理や美容などのジャンルで1分ほどの尺の動画をSNSを中心に配信していく形のメディアが増えている。数億円単位で資金を調達するスタートアップも多く期待は大きいことが分かる。

では、動画にはどんな可能性があるのだろうか。いくら動画を見てくれてもそれがビジネスとして成立しなければ萎んでいくばかりだろう。テキストや画像から構成されるコンテンツ(メディア)やSNSでは多くの広告費が投じられるなど、マーケティングとしても価値が十分にある。

動画でも、それがマーケティングツールとして効果を発揮しなければならない。そうでなければ広告主からの関心は生まれないだろう。Netflixなどの有料コンテンツではなく、1分間ほどの尺の分散型メディアであればなおさらだ。

動画マーケティングの効果は上々

動画マーケティングの大いなる可能性を感じるのがメルカリの行った動画マーケティングだ。YouTuberマッチングサービス『iCON CAST』を利用してYouTuberを起用したプロモーションを実施した。

メルカリを紹介するYouTuberの動画を見た後にメルカリをダウンロードしたユーザーは、その後メルカリを実際に利用する(出品や購入を行う)転換率が通常の広告経由のユーザーよりも30~40%ほど高かったという。

YouTuberによりロイヤリティがアップ

2016年6月より実施されたこのYouTuberタイアッププロモーションでは、一度に10名を越えるYouTuberを起用した大規模なインフルエンサーマーケティングであり、動画の総再生回数は約100万回を達成するなど成果をもたらしていた。そして、それ以上に顕著だったのが、動画を見てアプリをインストールしたユーザーの実際のサービス利用率の高さであり、実際に広告コンテンツに触れた時間が長いことからユーザーのダウンロードに対するロイヤリティが通常より高かったことが想像できる。

従来、動画で長い時間コンテンツを、それもタイアップのコンテンツである場合に見てもらうことは難しい。YouTubeでの広告は実際に5秒ほどでスキップされることも多い。それが、YouTuberを利用したことでユーザーが最後まで動画を見ることが増えたという。

なかなか見てもらうのが難しい動画コンテンツであってもYouTuberというファンの関心の高いインフルエンサーを用いることでユーザーへ適切な配信をすることが可能になることが実証されたことになる。

動画マーケティングの未来は

動画コンテンツの強みは当然情報量が多いことと、ユーザーのブランドに対するイメージがより上がりやすいという部分である。それに対して、サクッと手軽に見ることができないため、あまり見てもらえないことも多い。

この部分を改善するために分散型メディアは1分の尺で収めるコンテンツを配信しているが、何らかの形で動画そのものの視聴を増やすことができなければマーケティングに発展させることは難しい。もしかすると、インフルエンサーを用いた動画マーケティングは今後増えるかもしれない。