広告の在り方が今変わってきている。
それは時代の流れの中で非常に自然なことであろう。情報があり余っている今の時代において、広告は次のステージへと向かう。今後最も多くの変化が生まれる業界の1つであるだろう。
そもそも広告は嫌われている
広告というのは忌み嫌われた存在になりつつある。最近はテレビCMを誰も見てくれない(CMに入った途端にチャンネルを変えるかスマホをいじってしまう)ということがテレビ関係者の間で嘆かれる。
情報というものが飽和した時代において、消費者はあまりに多くの情報の中で自分の好きなものを選んで見ることができるようになった。その結果、広告をわざわざ見るインセンティブがなくなったということであろう。
昔であれば、CMでも多くの人々の話題になるものがたくさんあった。スマホをいじることができる今とは大違いである。テレビしか見ることができなかった時代はそれしか情報がなかった。これが人々と広告との関係性を変えてしまったわけである。
注目を集めるネイティブ広告
ところで、広告が嫌われる今の世の中にあって、今注目されているのは”ネイティブ広告”である。ネイティブ広告とは、通常の広告とは異なり、コンテンツへのリンクと同じフォーマットで馴染みがいい形で存在する広告の形だ。ネイティブの反対がエイリアン(異質)であることを考えると分かりやすいだろう。通常の広告はそのページ上から浮いた存在である。
出典 http://motema.hatenadiary.jp/
広告がコンテンツへのリンクの中にまぎれているようなこの形がネイティブ広告ということになる。
今までの広告の在り方は、まさに上記画像の左側のような位置に配置するのが通例であった。事実として、そのような固定の位置に配置されている方がサイト運営者としては設置が簡単で都合がいいわけである。最も一般的であるバナー広告のままではネイティブ広告にするのは難しい。(通常、コンテンツへのリンクがバナーであることは少ない。)
そして、あるユーザー獲得キャンペーンでは、ネイティブ広告が他の種類のモバイル広告と比較して30~40%高い割合でクリックされることになったという。すでにあらゆる形でネイティブ広告の有用性が示されているわけである。ネイティブ広告で早くから成果を出したのが上記画像にも出てくるグノシーであろう。グノシーのスポンサードコンテンツ(ネイティブ広告のリンク先の1種)は通常のコンテンツとほぼ変わらないクリック率であるという。
広告の目指す方向はネイティブな方へ
ネイティブ広告とスポンサードコンテンツを一緒くたに語ることはできない。ネイティブ広告はあくまで広告枠そのものがネイティブな形であるものを指し、スポンサードコンテンツはコンテンツの種類を指すものであり、そもそも違う概念の言葉なのである。
それでも、目指すものや方向性としてネイティブ広告とスポンサードコンテンツは同質なものであることは間違いない。スポンサードコンテンツはほぼ確実にネイティブ広告だ。ネイティブ広告でないスポンサードコンテンツを見たことはない。
ユーザーが求めるのは面白いコンテンツ、自分の見たい情報なのであってそれがスポンサードコンテンツだろうがなんだろうが関係ないということがグノシーの例を見れば分かる。広告の在り方として、今まではそこに存在すればなんとなく見られることもあったがユーザーが情報を選択できるようになればなるほどに忌み嫌われる(コンテンツを見たいのに邪魔だ)という存在になりつつある。これを解決するにはよりネイティブな方向へと進化していく必要があるだろう。