『りんなの一日インターン』が成功した理由


LINEの人工知能りんなのキャンペーンが大きな成功を収めた。
人間とのコミュニケーションにおいて人工知能が違和感なく応用された例であるが、はたしてこれだけの成功を収めた理由は何だろうか。

衝撃の登場を果たしたりんな

LINEのAIサービス“りんな”が持つ可能性とは

昨年2015年の末、突如現れた女子高生AIりんな。このAIは我々が今まで体験してきた中で最もナチュラルで人間らしいコミュニケーション能力を持つAIなのかもしれない。りんな自体のAIの開発はマイクロソフトが手掛けており、それを提供するのがLINEである。LINE上ではりんなを友達に登録することで会話を楽しむことができる。

そしてそのりんなが新しい形で活躍した。なんとシャープのTwitterアカウント上にりんなが現れたのだ。

りんなを活かした1日企画

2016年4月7日、以前からTwitterアカウントに人気があったシャープのアカウントとのコラボ企画『りんなの一日インターン』が行われた。当日、シャープの公式アカウントの中身は女子高生AIりんなに入れ替わり、ユーザーと様々なコミュニケーションをとることになった。これが企業のソーシャルメディア運用としては新しい効果を生んだ。

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出典 http://social-creator.info/

ワーナーブラザースジャパンに対して他社のアニメが好きであることを回答している。
これは、りんながまだ人間には及ばないAIであるから生まれたユーモラスな展開であり(人間がこれを行っていたらワーナーを無視してディズニーを挙げることはできないだろう)、不完全な形であるからこそ生まれた笑いだ。

『りんなの一日インターン』驚きの効果

この『りんなの一日インターン』は11時から18時までのわずか7時間ほどの取り組みであったにも拘わらず、Yahooのリアルタイム検索で『りんな』という単語が1位になった。Twitter全体がこの企画に対して大いに盛り上がっていることが分かる。

また、AIであるがゆえに全てのリプライに対して瞬時に対応するりんなに対して『本当に中の人はいないのか?』との疑問が上がるほど人間らしいものであったという。人間では1日に3万2000ツイートという数をこなすことはできない。これはAIだからできる形である。企業とユーザーとのコミュニケーションが迅速に滞りなく遂行される。

この企画が成功した理由はユーザーが”りんなが決して人間と全く同じコミュニケーションはとれない”ことを楽しんでいたからだろう。普通の人間とは違い、どんな返しが来るか分からないからこそこのコミュニケーションがユーザーにとって楽しいものになったに違いない。こうした、多少の不自然さがユーモアに変わる状況なのであれば今でもすでにAIによるコミュニケーションは可能だろう。