経営者とは架け橋となれる人材である


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多種多様な技術がある今、
ありふれた技術よりもそれを生かす人間の方が圧倒的に大事である。

経営者とは指揮者である

経営者の役割は全体を見渡し、最適な仕組みを創ることである。

有名な言葉ですが、まさに経営者の役割を表している。
経営者とは全体を動かさなければならない。その部下たちは自分の持ち場でやるべき仕事をするのが役割だ。
ここに人の下で働くのと人を動かすことの違いがある。

経営者とは指揮者である。
英語では指揮者をコンダクター(Conductor)と言うが、このコンダクターには指揮を振るう、つまりは『全体を操る人間』という意味合いも込められている。全ての事をたとえ浅くても広く把握できる人材が必要とされている。

ゼネラリスト優位の時代に

専門の分野に精通している人間をスペシャリストと言い、それに対して様々な分野に広い見識を持つ人間をゼネラリストと言う。
今までの時代では技術力によって社会が発展してきた。ソニーやシャープなどの技術力を持つ企業が台頭していたことからもそれは明らかである。

ただ今の時代ではそれが頭打ちとなっている。テレビはどれだけ液晶を綺麗にしても薄くしてもそれで売れるとは限らない。もうニーズを満たすレベルにきている既存の技術についてはもう限界まできていると言っていいだろう。
これは、悲観的な目線ではなく、人間が想像できるレベルに追い付くほどに技術力がきたということである。人は十分すぎてそれ以上求めていないのである。それ自体はここ100年間で人間のもたらした非常に大きな功績である。

技術が足りたとき、世界はどう進むのか。

上記のように技術が頭打ちとなった時、
技術というパーツをどのように組み合わせるかに重点が置かれる。

すさまじい勢いで計算をできるコンピューターがあったときにはたしてどうやって社会を豊かにできるか。
全世界でデータをやりとりできることがはたして何を生むのか。
コンピューターを持ち歩けるようになったときはたしてどう使うのか。

これらの技術だけではテクノロジーは生まれない。
技術と技術、技術と文化を掛け合わせたときに新しい概念が生まれ、常識は変わる。

起業家は接着剤であれ

そうです。ただ、今、話しているネット時代の編集者になれたら、つぶしのきく職業だと思いますよ。ネット時代においては、「ネットとの接着剤」になれる人が、一番必要なわけです。それがどの業界でも足りていない。当面は食いっぱぐれないんじゃないかと思いますけどね。

出典 https://newspicks.com/

ある記事でのドワンゴの川上氏の発言であるが、
技術者はいてもそれをうまく非技術と結び付けられる人間がいない。
テクノロジーを世に広められる人間がいない。

インターネットの膨大な情報を世にもたらしたのはGoogleだ。
WorldWideWebという概念は世界中の情報をサーバー上に広げたが、誰もそれにたどり着くことはできなかった。
Googleが世界中の情報を整理し、検索ワードという引き出しによって取り出すことが出来るようになった。

ざっくり言ってしまえば、
複雑な技術をいかにシンプルに一般に落とし込めるか、だ。
そのままの複雑なままではブレイクスルーは起こらない。分かる人間が、技術を用いることのできる人間のみが使える技術は社会を豊かにしない。

技術の使い方を導き出せば第二のGoogleは創れる。

Gunosyが4月末に上場するが、
このGunosyがスタートアップ界隈で注目を浴び続ける理由が1つ存在する。

Gunosyは人工知能を用いて情報を最適化しようとしている。

どういうことかと説明すると、
Gunosyはもともと東京大学大学院で人工知能の研究をしていた福島氏がニュースをユーザーの好みに沿って提供するという考えから生まれた。
太郎くんがニュースアプリを読むとして、人工知能がどんどん太郎くんの好みを取り入れ、まるで太郎くんが『この記事は好き、この記事はいらない』というように、取捨選択をしてくれているというシステムになっている。

『検索』というワードシステムは物事を並べ替え、カテゴリ別に整理し、情報を細分化してくれるがそれにはセグメントという限界最小量が存在し、検索だけでは絞り込みは細部までは行えない。
それを人工知能を用いるとその人毎の最適解を導き出してくれるのだ。
これがシンプルに、最小の情報量で、最小のユーザーの動作で可能になればGunosyの技術はGoogleを脅かすだろう。
(ただし、Googleは人工知能の研究者を年収1800万円で大量に雇用して研究を進めている。)

今回のまとめ

経営者として必要なのは、全体を指揮することのできる広い視野を持った人間である。
ゼネラリストとして技術を他の技術や文化と結びつけることのできるゼネラリストが求められている。
未だ最適に生かされていない人工知能のように、複雑な技術をシンプルに活用できるようになればイノベーションは生まれる。