
人が何かを決意するには理由があると思います。それはもちろん人それぞれですが、
僕にはたった1つだけ理由がありました。
小学生にして世の中はおかしいと感じた。
-なんでシャープペンシルを使ってはいけないんだ-
小学校の頃、シャープペンシルが禁止されていました。
おそらくどの地域でも一緒だったように思われますが、その理由は『小学生には必要がないから』とか納得の出来ないものでした。決まりだからしょうがいないという理屈の通らない話をする大人を怪訝に感じました。
-どうしてスーツを着なければいけないのか-
なんで大人はみんなスーツを着ているんでしょうか。
僕が小学生か中学生の頃、クールビズというものが話題になりました。スーツをせめて軽装にしてエアコン代などを抑る試みは誰にとっても利益になるはずです。
にもかかわらず電車の中にはスーツを着込んだサラリーマンだらけです。合理的なはずの物事がなぜ進められないのでしょうか。
-年上はなぜ偉いのか-
年上は偉いのだと教えられました。なぜでしょうか?
なぜ年上に対しては敬語で、年下に対してはそうでないのでしょうか。年上は無条件に自分より優位に立つべきなのでしょうか。今では仕事の関係の方に対しては年上だろうが年下だろうが敬語を使います。それは仕事をする以上相手を敬っているからです。立場上、相手が上なのなら気になりませんが、対等もしくは下の関係の年上の方がタメ口を使ってきた場合、縁を切ることが多いです。
世の中でたくさんのおかしいと思うことがありました。
子どもの頃から好奇心旺盛でしたから『なんでこうなの?』と周りの大人に聞きましたが、
『こうなっているから』とか『常識だから』とかしか返ってきたことがありません。
常識ってなんでしょうか?
世の中はきっとそんなおかしいことばかりなのだと幼少期に学びました。
このおかしいと思うことをなんとかしたかった。
幼少期の経験から、『このおかしいことを正しいと思える形にするのにはどうすればいいのだろう』というように考えるようになりました。
色んな形でその自分の考えを発信するようなことをしました。でもそこで気付いたことは、
自分が何を言っても何も変わらないということ
どれだけ自分が無力かということを幼少期に思い知らされました。たった人1人にできることはこの大きな地球ではとても小さいのだと。
結局は正しいかではなく、相手がどう感じるかということ。シャーペンを使うことによる有効性のデータを示して相手を論破してもそこでは何も変わりません。正しいことには何の意味などないのです。
人は正しいことには従いませんが、権力には従います。先生に言われたら、上司に言われたら、そのとき無条件に人は応じてしまうのです。人間とは自分の利益のために動くのですから正しいかどうかなんて関係ないのです。
むろん利益を抜きにして人を駆り立てるものもありますが、そんなことはごく一部の例外です。正しいことを叫び続けて理解してもらおうと考える自分はムシが甘いのだと、人間のことを何も理解していないのだと気付きました。
自分の発言が人に受け入れられるまで、自分という存在の価値を大きくする。
これが社会に不満を持った僕に与えられたたった1つの選択肢でした。
起業家が1番の実現への道
政治家になるのでも、教師になるのでも、タレントになるのでも、
どんなことでもよかった。
どうすれば自分は影響力というものを持てるのか。
世の中のルールというものに左右されず、正しいルールを作れる人間になれるのか。
そう考えた時に、最適なのが起業家でした。
権力社会の中で媚びへつらいのし上がらなければならない政治家や官僚と違って、
多くの人を魅了する才能を持っていなければならないタレントと違って、
起業家ならば利益を残しさえすれば認められます。
利益さえ出せば選択肢がどんどん増えていくのです。
とにかく最短で、若いうちからも結果を残さなくてはと思っていましたから、
20代や30代でもトップクラスに登り詰められる可能性を持った起業家という選択肢はこの上なく合っていました。
こんな世の中を少しでも変えてみたい
僕は『世の中を変えてやる』とは思ったことはありません。
何千年と人間が生きてきて形成された世の中なのだからそう簡単に変わりっこない。
それこそ僕がどこで何をしていても誰も気に留めません。その程度の存在です。
でも、
もしも僕が『年功序列がなく誰もが力を発揮する会社』を創ることができたのならその会社だけでも変えることが出来ます。自分の周りを変えることのできない人には世の中を変えることはできません。
そんな風に人は少しずつ影響力を広げていくのではないでしょうか。
大きなことばかり言う人はあまり好きではありません。目の前のことをひとつひとつ変えていくのが1番の近道だと信じています。
ただただ候補者が自分の名前を叫び、何がなんだか分からないまま有権者が投票する選挙に巨額の費用を使い、
バブルの考えを残した高齢の管理職が企業を好き放題にし、
若者はやりたいこともなくただただ安定した職を求めるのみ。
そんな社会に嫌気が差して少しでも改善したい。
- 少しでも世の中の人々が働きやすく
- 少しでも世の中の人々が豊かに
- 少しでも世の中が活気づくように
こうしたことをするために僕は起業家になりました。
そしてこんな小さなことに毎日取り組んでいます。
少しでも世の中を変えるのには“起業家”という存在こそが必要なのだと信じて。