19歳の若僧が起業して六本木ヒルズに入れたわけ③


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ついに六本木ヒルズに入った我々ですが、そこには知らない世界が待っていました。
これが起業というものなのでしょうか。

19歳の若僧が起業して六本木ヒルズに入れたわけ①
19歳の若僧が起業して六本木ヒルズに入れたわけ②
19歳の若僧が起業して六本木ヒルズに入れたわけ③
19歳の若僧が起業して六本木ヒルズに入れたわけ④
19歳の若僧が起業して六本木ヒルズに入れたわけ⑤

ついに六本木ヒルズに

前回の通り、ついに六本木ヒルズへと我々は足を踏み入れました。もちろん六本木ヒルズのオフィスに入るのは初めてでしたから、大いにワクワクし緊張した記憶があります。
とは言っても、今までのオフィスで使っていた備品を運び入れる程度で何もない空間でした。人数も6人程度でしたから、そこまで広い必要もなく、ただ備品は足りていなかったため広々としたスペースの中に我々はぽつんと残されることになりました。

ついにここが六本木ヒルズか…
そう考えると実感がわいてきました。何とも言えない達成感がありました。
そうして人生の六本木ヒルズ1日目は一応軽く作業をして帰ることとなりました。

結論から言ってしまうと、六本木ヒルズに入ったからといって急に素晴らしい企業になるとかそういうことはありません。オフィスがどこにあろうと関係ありません。正直六本木ヒルズに入るという選択肢が正解だったとは思いません。それでもこのときは人生でピークの経験に浮足立ち、ひたすら満足していました。

業務は相変わらず起業直後と同じ

もちろん業務内容も今までと変わりません。どこにオフィスを構えたからどうとか仕事の世界には関係ありません。ただ、名刺交換の時には『おっ、森ビルなんだ。ヒルズ族か』という風にちょっと羨望のまなざしで見られたり、少し信用されやすくなった気がします。その頃は19歳でしたが、おそらくその年で六本木ヒルズに入る人間はそういません。もしかしたら最年少記録だったのかもしれないですね。

クライアントをオフィスに招いての業務を行うなど、仕事自体はそれなりにしやすくなったとは思います。(それまではメンバーの自宅兼オフィスでしたので当然クライアントに見せられるものではありませんでした。)
そういった意味ではオフィスというもの自体はそれなりのものにしておくことをオススメします。毎月何十万、いいところだと百何十万としますが、身の丈に合ったものにすれば高いとは思わないはずです。自分自身様々な運の巡り会わせかオフィスが常に10階以上にありますが、それ自体は仕事のモチベーションにはなります。

企業の成長に限界を感じる

六本木ヒルズに入って落ち着いてきたその頃、不安要素が出てきました。
業績が悪いわけではありません。むしろ常にしっかり利益は上がっていましたし、これほどまでに安定した企業もそうないと思います。優秀なエンジニアが努力を続けたおかげです。

このころから、成長に限界を感じ始めていたのです。
自分自身、最初にHP制作の仕事を始めた時は、右も左もわからない状態でした。当然ながら仕事をもらえること、お金を稼げること自体があまりにも嬉しくてそれだけで日々分からないことだらけで成長できました。
しかし、事業が安定してくるころには我々は1つの企業としてSEOの業務を中心に立派に仕事をこなしていました。
何もできないときほど伸び代があるものの、ある程度まで様になるとそれ以上の成長はぐっと難しくなるのです。
起業の中では少なくないケースです。同じペースで成長は起こらないのです。どこかで鈍化するときがきます。

起業自体は難しくもなんともない、しかし大成功は話が別だ

起業ということ自体が難しいとは思いません。これまでにあったように与えられた仕事を全力でこなせば利益は出ます。最低限、各々の給料や必要経費の額は売り上げが出ます。真摯に顧客と向き合うことによってお金をもらえるのは当然の話です。だからこそ、起業するかで迷うのは愚の骨頂でしょう。食っていけるお金はしっかり入るのですから。

しかし、大成功というのは本当に難しいのだとそのとき学びました。
正直、毎日クライアントから請けた業務をこなす中でこれ以上に売り上げを飛躍させる方法は思いつきませんでした。ありえないレベルのSEOの結果を上げるか、社員を圧倒的に増やす必要があったからです。しかし、それをするには仕事をもっと請けなければなりません。数を絞ることによって維持した質を崩し、かつ自分自身の目が及ばないレベルの量を回さなくてはならないからです。それをすることによって一気に積み上げた全てが崩れる可能性がありました。

上場を目指せる企業になるにはビジネスモデルを一新する必要がありました。
そうです、当初考慮に入れていた自社サービスが必要だったのです。しかし、我々にはそれをするだけの資金力も人脈も実績もありませんでした。

19歳にしてここまでこれたという成功と、自分自身に対する限界を同時に感じました。それをひっくるめて起業の世界とはなんて面白いのだろうと感じました。自分自身じゃ歯が立たないくらいすごい人間がたくさんいるのだと。

そして、1つの大きな決断を下すことになります。
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