起業家には常識となった”イグジット戦略”とは?


以前の記事で起業家のイグジット戦略を紹介しましたが、
それをとりまく環境について解説します。

起業家の”イグジット戦略”

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以前の記事で紹介した起業家のイグジット戦略。起業とはイグジットというゴールが存在するようなものになってきています。
イグジットとは、創業した企業の売却・上場など株式の流動化が起こるフェイズに入る、もしくは起業家がその株式を手放すことで、創業した企業から離れる機会の1つです。

イグジットを作ったのはVCだ

さて、なぜ起業家の間でイグジット戦略が当たり前になったのでしょうか。普通に考えたらイグジットという考え方が前提にあるのは不思議な話です。起業家たるもの自分の創った企業に自信を持っているし、その企業は世界一だと思っているわけです(かくいう私もそう思っています)。その企業を手放すという考え方は基本的にそうないものでしょう。

イグジットという言葉を当たり前にしたのはVC(ベンチャーキャピタル)です。ベンチャーキャピタルとは主に創業したてのベンチャー企業に出資をするファンドのことです。
そんなVCですが、PEファンドなどとは違いますからどこかで出資して引き受けた企業の株式を売って利益にする必要があります。株式を出資して持ち続ける限りは含み益にあたりますから、どこかで利益確定をしなければ投資家に還元できないわけです。
となると、どこかで株式の売却を誰かに行わなければいけません。通常の株式投資とは違い、出資する際には企業は上場していませんから取引は難しいわけです。なので、バイアウトか上場のどちらかで利益を確定し、キャッシュの状態にする必要があるのです。
イグジットとはVCにとって必要なフェイズなのです。

イグジットによって起業家の選択肢は広がった

VCの利益のために行われているように感じますが、そんなイグジットは起業家にとって悪いことというわけでもありません。起業家にとってすれば自分の創業した企業を持ち続ける必要もありません。売却して得た利益で新たな事業を行うこともできるし、どこかしらの企業の傘下になることでその企業のリソースを利用することができます。

例えば、Instagram(『急成長の写真投稿SNSInstagramに迫る!』参照)は利益を1円も上げていない企業にもかかわらず800億円で買収されました。Instagramの戦略を行うために利益ゼロ円のままユーザーを増やす必要があるわけですが、それ自体はかなりの資金を必要とするため、Facebookに売却することでそれが可能になりました。

このように、イグジット戦略によってその企業やサービスは大きなチャンスを得る場合があります。

起業家や投資家に悲劇を巻き起こす場合も

そんなイグジット戦略ですが、起業家にとって全て理想の結末を巻き起こすわけではありません。例えば有名な例はgumiですが、東証一部に上場したこの企業は様々な要因から叩かれることになりました。それはVCや上場の主幹事企業野村証券の利益のために少しでも高い価格で上場しようとするわけです。結果としてムリをして決算の数字をよくした結果が上場ゴール騒動になるわけです。

このVCや証券会社の利益のしわ寄せを食らうのは市場を気にして事業を思い通りにできない起業家や不当に高値で株式を掴まれた投資家となるわけです。
このようにイグジット戦略にはベンチャー企業の金融にかかわる周辺の利益や思惑がうごめいています。