2016年が明けた。はたしてこの1年はどんなことが起こるのだろうか。
今年最初の記事は起業家.comでのトレンド予測となっているが、これが1年後に当たるかどうかも含めて読んで頂きたい。
2016年のトレンドは
2016年ははたしてどんな年になるだろうか。どんなビジネスが誕生するのであろうか。2015年はニュースアプリなどのユーザーサービスやドローンなどのテクノロジーがヒットを遂げた年であった。グノシーの上場や、AppBankなどのメディア事業を手がける企業の台頭が見られた。
日本では現在分散型メディアの台頭が大いに注目され、叫ばれているが、国を変えてアメリカへと目を移すとB2Bでのディスラプティブなサービスを期待する声が多い。企業向けのサービスは個人向けサービス以上に変化が難しい。個人が別のサービスに乗り換えるような気軽さでは変更がきかないからだ。そうした遅れたジャンルであるB2B市場をテクノロジーの力で一挙に便利にしてしまうことが期待されている。
それでは、起業家.comの予想する2016年のトレンドを1つ1つ読み解いていこう。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーション
もともとアメリカのベンチャー企業で生まれた言葉で、企業のマーケティング(顧客に求められるものを作る、販売するための試作)をオートメーション、つまりは自動化、最適化するための仕組みおよびソフトウェアを指すことが多い。
企業がサービスを販売する際に用いる最適化のツールのようなもの。
マーケティングオートメーションというと少なくとも日本では聞き慣れない言葉であるが、シリコンバレーなどでは注目されている概念である。日本で言えば名刺管理ソフトのSanSanは名刺を管理することでマーケティングオートメーションを図るサービスであり、メタップスの提供するECツールは人工知能を用いて顧客の嗜好に合わせて販売を自動最適化するツールになっている。
メタップスの人工知能を用いたもののようにテクノロジーベースのものもあれば、SanSanのように”名刺が大量にありすぎて管理しきれない”という課題を解決するマーケティングベースのものも存在する。同じなのは、顧客とのコミュニケーションを最適化するためのサービスであるということである。
サーベイロボット
サーベイとはそのまま測量を指す。2015年ではコマツがドローンを作業現場に用いたことで話題になったが、ドローンなどのロボットによって地盤や土地の測量およびデータベース化がいとも簡単にできるようになっている。2016年でそのような測量などに特化したドローンもしくはロボットが出てくるように予想される。
例えば建設現場だけではなく、油田や鉱山などにおいては危険がともなうことも多く、ロボットが欠かせない。また、地雷などの撤去にはロボットの力による探知が必要不可欠だ。ロボットが自律的に動けるようになればさらに利用現場が増えてくる。
グローバルメディア
訪日外国人観光客はいまだにその国のガイドブックを片手に京都や銀座を歩いている。GPSを搭載した地図アプリも日本の住所が読めなくては使えないから地図を片手に街を回っている姿をよく見ることになる。日本人はそんなことせずにスマホで調べれば一瞬なのにおかしな話である。
インバウンド需要は非常に大きいが、訪日外国人観光客に対して日本の情報量は親切ではない。圧倒的に外国人の日本への情報は足りていないから、オリンピックまでには確実にそうした外国人が日本を楽しくスムーズに回れるような情報を充実させるサービスが現れるだろう。そのサービスを普及させるためには今から動き出さないと間に合わない。
エンターテイメントEC
例えば、トリッピースは誰かの企画した旅にもしくは自分で旅を企画して参加することができる。参加者が決まるとトリッピースを通して旅行代理店が様々な手配をしてくれ、旅が実現するという形だ。このトリッピースのようにただ物やサービスを売るのではなく、そこにユーザーが参加できたり楽しめるようなECや予約サービスをエンターテイメントという枠組みで捉える。
自分でデザインしたTシャツをプリントアウトして購入することができるのもこのようなエンターテイメントECの一種だ。欲しいものにたどり着くことができ、安く早く買えるECサイトから今後は見ているうちに欲しくなるようなECサイトが成長することだろう。その中で”インタラクティブ(相互的)”というのは1つのキーワードになる。
CGM型LIVE動画
『LINE LIVE』はLIVE動画を国内に急速に普及させるに違いない。そのユーザーの爆発的な伸びからもLIVEを動画で見るという概念が普及することは間違いないだろう。ともなれば、一般ユーザーもアーティストのようになりきってLIVE動画を提供しようと考えるのは不思議ではない。学園祭やツイキャス・ニコ生などの熱狂を考えればそれは自然なことだ。ただただアーティストのライブを見るだけでなく自分も参加する形というのがこの動画コンテンツ普及の時代にあってもおかしくない。
ところで『LINE LIVE』は一般ユーザーによる投稿を許可していないから、一般ユーザーがそうしたことをできるようなプラットフォームがあればツイキャスで読者モデルが動画を投稿しているように、半有名人の面々のファンと相互にLIVE動画を通して交流する場所となりうる。
2016年のテーマは”インタラクティブ(相互的)”
以上が2016年の注目されるトレンドである。ドローンなどのテクノロジーを除いて関係してくるのは2016年に普及するサービスはユーザーに対して”インタラクティブ(相互的)”なものになるだろう。ユーザーノ嗜好に合わせたマーケティングや、ユーザーの参加できるサービスのように、ただ機械的にニーズを解決できるのではなく、よりユーザーが入り込み、楽しむことのできるようなものがヒットするだろう。
2016年365日の中ではたしてどんなサービスが生まれ、ヒットし、中にはIPOを遂げ、日本国内に認知されるのだろうか。2016年ははじまったばかりではあるがすでにその兆しを見せているのかもしれない。