人工知能『東ロボくん』が474の大学でA判定を獲得


あなたは『東ロボくん』をご存じだろうか。
東京大学に2021年までに合格することを目標として作られた人工知能である彼が快挙を成し遂げた。

『東ロボくん』が474大学1094学部でA判定を獲得

国立情報学研究所の発表で、同研究所の開発した人工知能(通称『東ロボくん』)が大学入試のセンター試験の模擬試験を受験し、950点満点のうちで511点を獲得したことを発表した。この試験での受験生の平均点は416点で、それを100点近く上回るスコアを人工知能が獲得した。
441の私立大学と33の国立大学の計1094学部ではこのスコアはA判定(80%以上の合格率と判定される)を獲得し、偏差値は全受験生のうちで57であるとの事。目指す東京大学の合格にも一次の突破にもほど遠いスコアであるものの、多くの大学のA判定を受けた。

昨年のスコアは平均点を下回るものであり、偏差値で言うと10以上の上昇があった。今年はベネッセコーポレーションの『進研模試 総合学力マーク模試・6月』を受験したが、世界史の偏差値66.5が最高であったという。駿台予備校の『東大入試実践模試』も実践し、地理歴史は54.1という非常に高い偏差値を記録した。(マーク模試と違い、東大模試は母集団が東大の受験生である。)

東ロボくんの数学の成績が向上

今回の成績向上の要因に挙げられるのは数学の成績の向上だという。昨年は文系科目においては高い成績を示していたが、数学の特に数列の問題が苦手だった。今回はそうした部分を改善した結果偏差値を10以上伸ばした。ただ、2つ以上の現象が重なる物理の分野には課題を残したという。(斜面を転がる球体に別の球体が重なるなど。)

『東大入試実践模試』の論述式の解答においても人工知能の『東ロボくん』は高い知識力を有するものの、知識の関連性などの表現に乏しく、未だ知識を詰め込んだ学生の書く答案の域は出ていないという。今後そうした部分にも期待が寄せられる。

東ロボくんは人工知能の限界を見極める

この『東ロボくん』は2021年までの東京大学の合格を目標としており、プロジェクト自体は人工知能の限界を見極めることを目的としてるという。人工知能が解ける問題なのであればその試験は学生にとってただただ機械でもできる発想をしたことに他ならないし、逆を言えば人工知能がどれだけ進化しても解けない問題は人間にとって非常に重要な意味を持つ。そうした(人工知能の限界の)範囲を見極めるためにプロジェクトはある。

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人工知能の進化は人間を超える可能性が大いに存在する。 優秀すぎる人工知能は確実に人間の仕事へまでその領域を広げることだろう。そんな人工知能が活躍する領域と言われているの ... 続きを読む
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弊誌でも紹介した通り、人工知能は今まで人間の行ってきた仕事をこなし始めている。高級ルーティーンワーカーと呼ばれる弁護士、公認会計士、税理士などの仕事をも人工知能はこなす。こうしたように、どんどんと人工知能ができる仕事は増えていっている。裏を返せばこのような仕事は人間がわざわざやらなくてよくなるだろう。

シンギュラリティで人工知能は人間を上回るのか

シンギュラリティという言葉がある。これは和訳すれば技術特異点という言葉になり、簡単に言うとコンピューターの知能が人間のスペックを越える瞬間を指す。つまり、人間よりもコンピューターの方がより複雑な思考を行えるようになるわけであり、そうなったときには人間は人工知能に劣ることになり、人工知能に人間は支配されるのではないかと危惧されている。

もしもこのようなことが起これば、人工知能が未知の難問をどんどん解いていってノーベル賞、フィールズ賞に値するような研究を行うのかもしれないし、はたまた人間は人工知能の奴隷になるのかもしれない。今回の『東ロボくん』は人間には解けて人工知能には解けない、すなわち人間の持つ長所を探しているのであるが、それはもしかすると存在しないのかもしれない。

様々な可能性を含む人工知能ではあるが、その一方であまりにも強大過ぎるその力には不安を残すのも事実ではある。今後その頭脳は様々な形で労働力になるのであるから人間は人工知能にはできないことを探っていくことになる。そうした挙動には非常に注目が集まる。