テレビCMが好調なメルカリが快挙を成し遂げた。
アプリのユーザー数でヤフオクを抜いたメルカリは今後どこまで成長するのか。
メルカリがヤフオクを抜く
最近テレビCMでおなじみの『メルカリ』がアプリのユーザー数においてC2Cマーケットの先駆けである『ヤフオク!』を抜いた。メルカリのアプリDL数は現在2000万を超えており、1000万DLを突破したモンスターアプリの数々を見ればその2000万という数字がいかに大きいものか分かることだろう。
年々化拡大するC2Cマーケット
ヤフーとソニー不動産事業提携生まれたサービス『おうちダイレクト』は記憶に新しいが、事業者を(Web上以外では)通さずに消費者同士が取引を行うC2Cのサービスは年々その事業規模を広げている。世界的に有名なのはAirbnbという宿泊のC2CサービスとUberというタクシーのC2Cサービスであろう。共に時価総額2兆円、5兆円という巨大な規模を誇るC2Cサービスがここ10年で誕生している。
日本というマーケットにおいては最も大きなC2C企業はもしかするとメルカリかもしれない。もちろん、メルカリはヤフオクの流通金額を抜いてはいないしその金額にはまだ開きがあるものの、純粋にC2Cのみを行う企業としては近年で最も大きい。(もちろん、ヤフオクというサービスがC2Cサービスの中では最大であろう。)
フリマアプリという手軽さがウケたメルカリ
メルカリとヤフオクは実は微妙に違う。ヤフオクはeBayなどと同じオークションサービスであり、事業者も多く販売をしているのが見受けられる。もちろん中古の不用品なども多く存在するがフリマアプリでありフリーマーケットのような素人らしさを出したメルカリとは雰囲気も異なり、非常に事務的な取引が行える。
出典 http://ecclab.empowershop.co.jp/
出典 http://blog.marketing.itmedia.co.jp/
上記画像のようにメルカリとヤフオクはサービス内の画面から大きく違うことが分かる。メルカリは画像が大きく、文字は少ない。ヤフオクは画像が小さく、文字は多い。若者ユーザーをターゲットに据えてカジュアルに取引を行うことに対して焦点を充てていることが分かる。対してヤフオクは情報量が非常に多く、いかに確実にお得に買い物をするかということに対して重きを置いているように感じられる。
メルカリはまだまだ小さなサービスに過ぎない
もちろん、ヤフオクのユーザーがメルカリに移っている部分もあるかもしれないだろうが、おおよそ見る限りそこまで2つのサービスは被っているようにも感じられない。メルカリは売り上げを伸ばしており、2015年6月期で売り上げ高42億3700万円を記録しているが、メルカリ自体の手数料が10%であることを考えると年間流通金額423億7000万円であると想定される。ヤフオクが年間6000億円を流通しているとされる中でこの金額はまだまだ遠く及ばない。
そう考えた時に、メルカリはヤフオクからユーザーを奪ったというほどではなく、小さなマーケットを開拓しただけなことが分かる。非常に大きな成長を示し大きな期待を浴びるメルカリではあるもののヤフオクの10分の1に満たない規模であり、脅威とは未だなり得ていない。C2Cで大きな成功を収めたAirbnbとUberと比べると非常に小さな企業であることが分かるだろう。とはいえ、アプリのユーザー数でヤフオクを抜いたメルカリの今後には非常に大きな期待が集まる。