Slackがもはやメッセージングを超えた存在である理由


すでに社内チャットの中ではslackはファーストチョイスになっている。
そのslackにスタートアップ界が寄せる評価はメッセージングのそれを超えている。はたしてその理由とは。

Slackが2億ドルを調達

Slackが投資前評価額38億ドルで2億ドルを調達した。これで評価額は40億ドルになったことになる。この数字は社内チャットツールとしては異常な大きさだ。Thrive Capital、GGV、Comcast Ventures、Accel、Index Ventures、Social Capitalらがこのシードラウンドに参加した。Slackは創業3年にして総額5億4000万ドルの調達している。昨年の4月に28億ドルの評価額だったことから、1年間で1.5倍近くの成長ということになる。ユーザー数に至っては前年比で3.5倍に増加した。

Slackは『社内の連絡からメールがなくなる』とまでの期待をシリコンバレーでも集めている。DAUは270万でエンタープライズ系(企業向け)のプロダクトとしては圧倒的に大きな数字である。企業内でのメッセージのみならず連絡がSlackに置き換わっているのは紛れもない事実だ。日本でもIT企業の多くがSlackを導入し始めている。

メッセージングを超えたSlack

評価額40億ドルとすでにユニコーン企業の一員であるSlackであるが、なぜ社内チャットのサービスがここまで大きな会社になったのだろうか。それは今までのチャットサービスを遥かに超えたクオリティにある。日本国内で同様の意図を持ったサービスとしてはChatWorkが思い浮かぶことだろう。まず、デザインを自分でカスタマイズできる。ユーザーによって全く違う画面を構成することも可能だ。

そして、機能もまた従来のチャットサービスよりも充実している。『rl-tweet』というチャンネルではみなが好きなことをつぶやくことができる。さしづめツイッターとグループチャットの融合というようなものだろうか。次にスラッシュコマンドによってあらゆる機能が指先1つで実現できる。『/who』と入力すると誰がいるのか分かる、『/hangout』と入力するとビデオチャットが始まる。さらにはTwitterの引用リツイートのようにあ誰かの過去の投稿を引用することができる。『あの話どうなった?』というような過去の決まり事を指す際も非常に便利である。チャンネル上でポストを立ち上げてGoogleドキュメントのように全員で編集したりもできる。

非エンジニアやパソコンに慣れていない一般的な企業の人からすれば少し難しいかもしれないが、どの機能も一瞬で立ち上げられるような分かりやすいUIが魅力である。少なくともIT企業の社員にとってはこの上なく使い勝手がいい。

Slackの成長はこのまま続くのか

Slackの機能自体を他者が真似ることはそう難しいことではないだろう。ただ、SNSのような仕組みでそのネットワーク効果(サービス上でユーザー同士がつながることによるメリット)については他社が追いつけるものではない。ギークから広まりやがて全ての人が使うようになったGooleやMacbookのように一般層にまでそれが波及する可能性は十分にある。

それが広がったときSlackはメッセージングの域を遥かに超えたビジネスコミュニケーション上のインフラとなるだろう。