gumiとフジの新会社その行方とは


上場ゴールのイメージが離れないgumi。
しかし、2014年にはなんとフジ・メディア・ホールディングスと合同で会社を設立し、ソーシャルゲームをリリースしている。その現状とは。

フジとgumiの合弁会社

2014年1月のことだ。フジ・メディア・ホールディングス(FMH)とgumiがスマートフォン向けソーシャルゲームを開発する新会社『Fuji & gumi Games』設立した。資本金は2億4000万円で、出資比率はFMH子会社のフジ・スタートアップ・ベンチャーズ(FSV)が79.2%、gumiが20.8%となっていた。なお、新会社設立に先行してgumiは19億円を調達している。

日本や韓国などのアジア圏を中心にソーシャルゲームが盛り上がりを見せる中、gumiはシンガポールや韓国、中国に開発拠点を設けてきた。一方、FMHの中核会社であるフジテレビはテレビ放送以外の収益を事業戦略の最重要項目として、特にモバイルゲームを最重要領域として位置付けている。新会社の『Fuji & gumi Games』では、フジテレビグループの企画・マーケティング力とgumiの開発力を生かして世界各国の市場にゲームタイトルを提供していくという目的があった。これまでもFMHは、子会社のFSVを通じてモバイルゲームの分野などに投資しており、FMHとgumiの間ではすでに、モバイルゲーム開発のエイリムを設立するなどの協業関係を構築してきた経緯が存在する。エイリムがリリースしたロールプレイングゲーム『ブレイブフロンティア』は日本だけでなく韓国や台湾、北米で展開され、プレイヤーは130万人を超えている。

それでは、フジとgumiによって設立された『Fuji & gumi Games』の業績はどうなっているのだろうか。

合弁会社の命運はファントムオブキルに

『Fuji & gumi Games』の主力タイトルはファントムオブキルである。mixiがモンスターストライクほぼ1本で年間2000億円を売り上げるように、ソーシャルゲームの市場ではメインタイトル1本で爆発的な売り上げを上げることがある。裏を返せば、ヒット作が出ない限りは採算はとれない。

現在、ファントムオブキルは350万ダウンロードを突破。Google Playでアプリ内の売り上げでトップ10に入ることもあるなど、まずまずの業績を上げている。

phantomofkill

『Fuji & gumi Games』の業績は

それでは肝心の『Fuji & gumi Games』の業績はどうなっているのだろうか。
『Fuji & gumi Games』の第1期(2014年3月期)は9019万円の最終赤字、第2期(2015年3月期)は1億2300万円の最終赤字であった。

第1期は設立からおおよそ3ヶ月ほどの期間しかない。ゲームの主力タイトルの開発に力を入れた結果であると思われる。本番である第2期は1億円を超える赤字となっており、まだまだ苦労が続きそうだ。