ニュースの株価への影響を予測『兜予報』アプリがリリース


投資家の大きな味方というアプリがリリースだ。
『兜予報』では直近のニュースが株価に与える影響を予測することができる。

ニュースが株価に影響するか教えてくれる『兜予報』を発表

FinTechのスタートアップである財産ネットは2016年5月17日、経済ニュースが株価に影響するかどうかを即座に教えてくれる『兜予報』のアプリを公開した。現在はiOS 向けにAppStoreからダウンロードできる。Android版は後日公開される見込みとなっている。(現在はAndroid版もリリースされている。)

これと同時に財産ネットはシリーズAラウンドで、マネックスベンチャーズ、フリービットインベストメント、早稲田インベストメントから資金調達したことを明らかにしている。調達金額については開示されていないために不明である。

現在はシミュレーション版の提供

兜予報は、株価の動向を知りたいデイトレーダー向けのサービスで、材料視されるニュースが報道されてから、30分程度の間に株価に影響を与えるかどうかを予測してくれるアプリである。ニュースが報じられてから、株価に影響を与えるまでには一定のタイムラグがある。この時間を使って、兜予報では経済アナリストによる投票を行い、ユーザーであるデイトレーダーに、保有銘柄の『売り』『買い』『見送り』という直感的な表現で提案してくれる。財産ネットの代表取締役である荻野調氏は、『トレーダー個人の予測確度はどんなに研ぎすぎましても6割が限度、それをアナリストの投票という集団知を活用することで最高81%(兜予報の実績値)まで引き上げられる』のだという。

いずれは兜予報アプリから直接株式の売買が可能となる予定になっている。今回リリースしたのは、フリー版と呼ばれるシミュレーションモードのみを搭載したものである。株式投資に興味があっても、実際にまだ始めるのは足が重いという投資家志望者に対し、バーチャルマネーでの投資のシミュレーション機会を提供する。

投資家を増やすための施策

今回リリースされたシミュレーションモードのみを搭載したフリー版と、実際に証券会社への売買注文ができるようになる本番版では、利用する株価のデータが異なる。これはリアルタイムの株価データは東京証券取引所が権利を保有しており、その利用には費用が発生するためである。本番版ではリアルタイム株価が採用されるのに対し、現在のフリー版ではユーザがシミュレーションモードを楽しむことができる。

財産ネットでは平日の昼間に『兜予報 ランチタイム配信』という20分間程度の番組を生放送するなど、投資家志望者が投資を行いやすくするための施策に余念がない。こうした施策が実り、徐々に投資家人口は増えていくのではないだろうか。