インドカレー店が乱立するわけ


今、インドカレー店が急増している。
そしてその背景にある複雑な出稼ぎ労働者の事情とは。

インド理料理店が激増

街中でインドカレーの店やケバブのお店が増えたのに気付いただろうか。事実、インド料理店の数は7年間で6倍ほどに増えている。その原因として日本に出稼ぎに来るインド人が増えたこと、日本人の中でエスニック料理の人気が増えていることなどが挙げられるだろう。しかし、理由はそれだけでない。インド料理店、特にインドカレー店の仕組みにおけるビジネス上の構造に根付いた問題である。

一般的にカフェや居酒屋などの飲食店、近年流行りを見せているラーメン屋では開業に2000万円~3000万円ほどかかることが多いが、インドカレー店は1000万円程度で済む。それが居抜き店舗となると数百万円程度で出店が可能になる。また、インドカレー店などは立地も雑居ビルの中や路地裏にあることが多く、それがコストを下げることにつながっているのだという。

また、ランニングコストも非常に安い。カレーに欠かせないナンなど通常粉ものが4割程度なのに対してインドカレー店は2~3割でそれが済む。最大の要因と言われているのは、修行を積まなくては出店が難しいラーメン店などとは違い、インド料理を母国の主食にするインド人らにとっては家庭料理であるため訓練が必要ない。
しかしながら、インドカレー店の過当競争は問題になっているという。

影響は出稼ぎ外国人の増加

 

なぜこうなっているかというと、インド人や中東、東南アジアの出稼ぎ外国人が増えており、彼らは働き口がないために限られたインド料理店などに集まるのだという。それでも出稼ぎに出た労働者からすれば母国にいるよりも日本で少しでもお金を稼いで自国に仕送りをすることができればその方がプラスになるというわけである。
中には、高金利で借金をし反社会勢力と関わることになる場合もあるという。異国の地で法律も分からずいいように使われていると言えない部分もあるわけである。

日本では、人口が減っていく中で労働力として移民が必要であるという考えも存在する。しかし、今でさえこうした出稼ぎ外国人は決していい待遇ではない。後ろ盾がないのをいいことにこういった扱いをされているとも言えるだろう。移民を増やしたところでどうやって彼らが日本で十分に暮らしてお金を稼ぐことができるのだろうか。では、こうしたインド料理店が減ったとして彼らの働き口はどこにあるのだろうか。問題がとうてい解決するとも思えない点は大きな社会の抱える闇であろう。