27億円という圧倒的な利益を記録したLDH。
はたしてその利益の秘密とは。
EXILEの事務所LDHの驚異の決算
EXILEの所属事務所であるLDHの決算には衝撃が走った。なんと通年での利益が27億円にも上った。資産は150億保有し、十分に上場企業ともひけをとらなレベルである。事業内容などに対する魅力を考えた時にどのような判断がなされるかは分からないがマザーズ上場くらいならば可能なのではないだろうか。
EXILEの初期メンバーが50万円を持ちより、当時最小の資本金で作った有限会社がここまでの大きさに成長したというのであるから凄まじい成長である。
EXILE、E-girlsを中心に絶好調のLDH
LDHの所属タレントはかなりの数いるのだが、それは他の事務所も同じであり、主に有名なのはEXILE(とその派生)とE-girls(とその派生)ということになる。EXILEだけでなく、E-girlsも全国ネットで冠番組を持つなどその人気は絶好調である。
誤解を恐れずに言うのならば、LDHのターゲットとする層は、ヤンキーの方々である。EXILEもE-girlsもヤンチャな男性、女性からの支持が多い。今までは意外なことにそうしたグループはいなかったように思える。そういうグループもいただろうが、それはバンドであったり個人のアーティストであったりで、EXILEやジャニーズ、AKBのような作られた集団ではそうしたジャンルはなかった。
そこをEXILEは拡大したわけであるからその手腕は見事である。EXILEのメンバーを増員したころにはそうしたシナリオが描けていたのではないだろうか。それが今絶頂となっている。
LDHの本業は、『ダンススクール』と『アパレル』である
LDHの事業がここまでに安定しているのは、実は芸能を軸としながらも最も利益を出す本業の部分は『ダンススクール』と『アパレル』となっている。
実は、芸能プロダクションの運営は非常に難しい。タレントが売れるか売れないかがなかなか予想できるものではなく、しかもそう簡単に売れるものではない。圧倒的に安定しにくい業種だと言えるだろう。それをうまく経営しているのがLDHである。
EXPGというダンススクールをEXILEの人気と共に開校、月謝は2万5000円であるが、EXILEなどのメンバーが実際に訪れ指導してくれることもあって生徒の数はどんどん伸びている。生徒数は3600人と言われ、これだけで月に1億円近い売り上げになる。年間では11億円ともなるから驚きである。
またもう一つの収入源がEXILE等のアパレルブランド。CDなどがなかなか売れないこの時代に、グッズで収益を挙げるのは王道ではあるが、EXILEの場合はアパレルブランドのショップが「EXILE TRIBE STATION」という名前で中目黒に存在する。これもまた非常に大きな利益を挙げている。
これからのアーティストは物販とリアルの体験が王道
この記事でも触れたように、音楽の市場は非常に小さくなっている。デジタルコンテンツの複製が容易なのだから当たり前だ。どれだけ禁止しても音源がweb上に上がっている。もはやCDの売れ行きは下がる一方であろう。さらには、ストリーミングサービスで音楽を月額聴き放題で楽しめる時代にあって、その市場規模は小さくなるに違いない。そうしたときに、利益を生み出すのは『物販』と『リアルの体験』である。
EXILEのグッズしかり、実際に現物が存在するもののニーズはなくなることがない。また、AKBで言えば握手会などアーティストとのリアルの体験もどれだけweb上で情報が得られてもなくなることはない。この2点にフォーカスを当てたLDHの経営手腕は見事と言うしかない。