テクノロジーにより社会は常に進化を遂げている。
今後、さらなる進化を遂げるであろう分野が決済のサービスである。今後、支払いは手のひらをかざすだけでできるようになるかもしれない。
注目を浴びる静脈などの生体認証
PCやスマートフォンのログイン時に指紋認証を使用するなど、生体認証を用いて本人確認をすることがあり、iPhone 5sには指紋認証を使ってiTunesやApp Storeでコンテンツやアプリを購入できる機能まで搭載されています。生体認証で本人確認などをすることは珍しくなくなってきている中、クレジットカード処理端末に静脈認証リーダーを搭載し、手のひらの静脈を読み取って買い物の支払いを可能にした新しいデバイス「PulseWallet」が登場しています。
PulseWalletは、富士通が開発・販売している静脈認証デバイスPalmSecureの赤外線カメラを搭載。PulseWalletの初回利用時に、静脈情報と電話番号、クレジットカード情報をデバイスから登録しておけば、手のひらだけでの買い物が可能になります。
出典 http://gigazine.net/
実は、この静脈認証によって『手のひらをかざすことでクレジットの決済が完了する』システムに関する記事は、2014年1月に公開されたものだ。富士通のこの『Pulsewallet』なるプロダクトは2014年にはすでに実体化されていたことが分かる。
こうした認証で言えば、iPhoneには指紋認証によってロックを開けるシステムが登場している。今やパスワードはスマートでないし、安全ではないという意見は主流である。人間は個人を識別できる『指紋』、『声紋』、『静脈』、『虹彩』などの情報を保有しており、いちいちパスワードを覚えているかどうかによって識別を行うこと自体が古臭いやり方であるとも言えるかもしれない。
JCBが2015年10月に静脈認証の実証実験
ジェーシービー(JCB)は、富士通、富士通フロンテックと手のひらの静脈認証技術を用いた決済スキームの実証実験を、10月に国外にて開催するパートナー企業向けのカンファレンスの場で実施すると発表した。
世界最高レベルの認証精度と耐偽造性能を誇る富士通の静脈認証技術とJCBのネットワークを融合させ、あらかじめ手のひらの情報をカードの情報へ紐付けすることにより、手のひら静脈認証での本人確認により決済を可能とする決済スキーム。手のひらの情報に対して複数のカードの紐づけが可能なため、カードを持ち歩く必要がない。認証技術の精度の高さから、銀行ATMやセキュリティエリアの入退出管理などでの多くの採用例がある。
すでに日本国内では、7月にJCB本社で数百名の社員が参加し、手のひら情報とクレジットカードのひも付けによる実証実験を実施済み。国内外でクレジットカードやプリペイドカードといった様々な決済プロダクトでの利用が可能な「グローバル決済スキーム」としての実用化へ向けたさらなる検証を行うものとしている。
出典 http://www.traicy.com/
上記記述を利用した決済スキームの実用化に向けて、JCBでは国外での実証実験を今年10月に行うことを発表した。そのシステムは下記図のようになっており、JCBへ登録した静脈と電話番号で通常のクレジットカードの認証と同様のことを行うことができる。カードを持ち歩くことすら必要がなくなるのである。
今後、パスワードはなくなる?
今後、生体認証(指紋、声紋、静脈、虹彩)はその精度が上がっていくこと、そのシステムが普及することによりパスワードや暗証番号の出番は今後減っていくだろう。たびたび暗証番号やパスワードを登録することになりそれを忘れたりすることに悩まなければいけなくなることはなくなるのかもしれない。
特に、スマートフォンを1人1台持つのが当たり前である現代においてはスマートフォンは個人を識別する力を持っている。さらにそれに指紋などの確実に個人を識別する能力の持つシステムを加えれば今後暗証番号やパスワードは必要なくなるかもしれない。ストレスなくログインや買い物をできるような世の中はもうすぐそこにきているのかもしれない。