おうちダイレクトの抱える課題と不動産テックの未来


不動産テックを掲げたおうちダイレクトは大不振。
はたして今後の不動産テックはどうなるのでしょうか。

おうちダイレクトの不振

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意気揚々とマンション流通革命を掲げて2015年11月にスタートしたおうちダイレクトですが、開始から3ヶ月の成約数はゼロ、未だに月々の成約数は2件にも届かないと言われています。これだけ多くの期待を持ってスタートしたにも関わらずなぜおうちダイレクトは不振なのでしょうか。

おうちダイレクトの目指す形は、マンション流通革命なるインターネット上を通した物件の売買です。今まで不動産会社を通して行っていた売買をサイトを通して行うことでユーザーはコストを抑えることができる、不動産業界におけるディスラプターとして期待されていました。

おうちダイレクトの問題点

おうちダイレクトが不振に陥った理由はいくつかあるでしょう。1つの大きな問題は、インターネット上で全てが完結されると思われていてなかなか敷居が高くユーザーが寄り付かないこと。不動産革命を押し出しすぎてイメージが固まってしまったのでしょう。大きな額の取引とあっては勝手が違います。

そしてもう一つ、おうちダイレクト特有の問題として、売り手がつける値段があまりに勝手すぎて取引が成立しづらいということが挙げられます。通常、不動産取引には不動産会社が介在してそこで市場に順じた価格を付けますが、それがないおうちダイレクトは売り手側の要望があまりに大きすぎる形になってしまっているようです。

不動産テックには驕りがある

では、なぜおうちダイレクトはそこを改善しないのでしょうか。そもそも、私が考えるにおうちダイレクトは不動産テックをはき違えています。不動産テックとは、テクノロジーの力で不動産業界の既存の在り方をディスラプトするものなわけですが、それは代替品ではないわけです。
『それまで不動産マンを通して行っていた売買を、サイトを通してやると安くなりますよー』というのは不動産テックではありません。
『不動産マンの仕事は全部コンピュータがこなしちゃいますよ、物件の評価も、適切な価格も、契約のやり取りも熟練の不動産マンと遜色ありません』というのが不動産テックです。

要するに、既存の仕組みでできていた適切な価格設定だったり、消費者の望む物件の選択なども含めてAIやプログラムがこなしてくれないと革命ではないでしょう。ただの別のサービスです。おうちダイレクトにはそういった機能がありません。大規模のサイトではあるものの、おうちダイレクトの構造は特別優れているところはありません。

物件自体を住所や平米数などから評価したり、その上でさらにこういった場所の物件はこういう問題があるなどベテランの不動産マン並みの評価を下すことができたり、ユーザーの要望に合ったエリア(幼稚園が近い、~駅まで何分以内など)を自動的に探し出してくれるなどの行動をプログラムができないと不動産マンには及びません。

不動産テックに必要なもの

おうちダイレクトははたしてどこが不動産テックなのでしょうか。そういった意味で非常に疑問があります。
ユーザーが高い値段だと売れないことを理解できる機能にすらなっていない、何か他のサイトではできない機能もない、というありさまでは何も期待できないでしょう。

不動産テックをやるためには、今まで不動産マンが長年の勘によって行っていたことをサイト上でできるようにしなくてはいけません。ユーザーが安心して取引をできるようにする仕組みも必要でしょう。そういったことができて初めて不動産業界をディスラプトできることになります。