学生時代にしか人は成長できないという落とし穴


社会に出たらはたしてどんなものが待っているのでしょうか。
厳しい?でも成長できる?
結論から言うと成長するのは学生時代までだという風に考えておきましょう。

『一度就職して起業』という幻想

世の中では、『学生時代(もしくは卒業と同時に)から起業』なのか『一度就職してから起業』だとどちらがいいのだろうかという疑問をよく見かけます。どちらが望ましいのかというのは他の記事(『とりあえず就職してから起業なんか100%ムリ』)で述べている以上、1つ置いておくとして一度就職をすることに対して世の中では信頼というか、一定のブランド価値に似た何かが存在するようです。

要するに、一度就職することで会社の中で学びがあったりそのシステムを学ぶことができるから起業に対して大きなメリットになるんではないかと考えられているようです。それどころか、社会の仕組みを学ばなくては起業はうまくいかないんじゃないかという考え方もあるみたいな風潮を感じます。当然ながら、我々起業家はとかく自分がどういう事業をするのかその成功を高めるためにどうこうしか考えることがないので、起業家になったのに今さら『就職した方がいいかなー』とか言うことはないです。

何が言いたいかという話に入ると、
『就職して学ぶ』
って、その学ぶってなに?っていう話なんですよね。具体的に何を学ぶか明言した上で『就職してから起業しましょう』とか言っている人って見たことがない。会社の仕組みって言うけどそれは具体的には?ビジネスモデル的な面なのかマネジメント的な面なのかそれも考慮に入れておらずにそういったことを言う人がいるようです。
まあ、言わせてみれば『起業って怖いよね、だから就職を一度しておこう』というような問題を先延ばしにするような考え方に近いんじゃないかと思うんです。

人が成長できるのは学生時代

会社員として一から仕事のやり方を学ぶということで得られるものは否定しません。もちろんそれ自体は素晴らしいものでしょう成長ができる。ただ、『それって別に学生時代にできませんか?』っていうことを思うんですよね。インターンでもしっかりと会社の戦力になるレベルで働いている人はいるじゃん、それを学生時代にやっておこうよ。世の中の働き方は新卒入社で会社員だけじゃないよと思うわけです。
『いやいや、それはごく一部のエンジニアとかそういう類の人種でしょ』って言うやつは『起業もごく一部のすること』って逃げることになりがちです。そもそもがそういう”俺にはできないわー”とかいう癖を直しましょう。さもなければ一生凡人としてまあまあの給料をもらい続ければいいじゃんって話です。

私自身も、会社組織で一度働くことを学ぶという考え方は賛成です。実際自分は、営業組織で色々と学んだ部分があるし、それがなければ会社をやっても当然のようにうまくいきません。『その学ぶということが新卒入社でできる』っていう風に考えているところがバカなんですよ。選択肢がそれしかないのがバカなんだという話。

例えばの話、新卒の社員とインターン生とどっちが成長できると思いますか?
もちろん明確に答えを出すことはできませんが、しいて言うならば私はインターン生に分があると思います。
新卒の社員っていうのは当然のように社員研修を半年くらいやって、まずはコピー機とりみたいなことをやらされて一人前になっていきます。それに対してインターン生はあまり研修とかありません。そんな余裕ないんだからとっとと見てできるようになれよと、ベンチャー企業はそういう方針です。

細かい仕事まできっちりできるようになるのは新卒の社員の方が早いでしょう。でも、早く成長できるのはベンチャーのインターン生ですよ。新卒の社員っていうのは会社が綺麗に大きくなっているからゆえに成長しなくても仕事ができます。要するにその会社のやり方をしっかりと身に付けその中で寸分たがわずできる能力が求められているんです。ぶっちゃけ柔軟性とか死語でしょう。

新卒での入社はレールに入っていく

新卒で『成長するぞー!』みたいにすごいやる気満々の学生が内定式はじめ各地で見られますが、それについては非常に懐疑的です。まず一つ言いたいのは、会社は望むのはあなたの成長ではなく、利益が上がることです。それは会社組織である以上基本的に同じです。利益を出さなきゃみんな死んでしまう。
だから、『僕成長したいんです!』っていう人に対して二つ返事で成長するためのカリキュラムを組んでくれるのではなくて、『何もできないならとりあえずお茶くみしてろよ』っていうスタンスが会社なわけです。
『そうだよね!自分から学びに行かなきゃ何も得られない!』そういう言葉も聞こえますが、それならそもそも自分でやればよくない?フリーランスで仕事もらったりすればいいじゃないですか、仕事できなきゃお金もらえないんだからめちゃくちゃ成長するしクライアントからの評価がもろに来るんだから非常に簡単に成長しますよ。すぐにクビを切られる立ち位置にいるわけだし。
本当にしたいのは、成長じゃなくて『みんなで仲良く、固定給ももらえて、大企業のブランドも持って』仕事をすることじゃないんですか。成長したいんじゃなくて成長したいって言いたい人にしか見えません。

あと一つ言いますが、日本の企業の特徴として『社内のルールが非常に細かい』ことが挙げられます。これはなぜかっていうと、自社流のやり方を自分に染み込ませたいからです。そうなるとその社員たちは簡単には外の会社に行けない。なぜならそのやり方は外では通用しないから。
なんで自社流ルールがはびこるかというと、それは日本では転職が少ないということもあります。外からの血を入れる機会もないのでそのやり方が固定されてしまうんです。
そして、社員を成長させるよりも自社流ルールに最適化させる方が企業にとっては割がいいからそうするんです。成長なんてものは日本の企業では必要なくなっています。そんなものは幻想なわけです。

唯一自由に働ける学生時代

もちろん、外の企業でも通用するようなスタンダードなやり方で社員を成長させている企業もあります。そこには優秀な学生が絶えず入り、独立も多くだからこそ優秀な人材がこぞって押し寄せる。例えばリクルートなんてまさにそれの代表例でしょう。とにかく最速で仕事を叩きこむからこそ経営者もたくさん輩出しています。

ただ、働いた経験のない学生がそうした優良企業をすぐに見つけ出すことができるかというとそれはあまりにも難しいのではないでしょうか。いい企業に入るためにも学生時代に経験を積まなきゃいけないんです。だって、企業は『アットホームな職場です』とか『人を成長させるような会社です』とか『残業はありません(任意です)』とか平気で嘘をつくんだから。

そういった意味で唯一いつでも辞めていいし、成果給が得られないというリスクを背負うこともできる学生時代というのは最も成長できる期間なわけです。逆にここで成長できないと転職でのステップアップは不可能です。会社に入ったらみんなある程度頑張っているんだし、成長できるかは会社のやり方に依存するし、相対的に上にいくのは難しいんですよ。
だからこそ、学生時代がもっとも差をつけやすい。

上記のものは起業とか会社員とかに関わらず全てのジャンルについて言えることでしょう。起業するために就職なのかそのまま起業なのかという意味では、多くの就職を経て独立した起業家も学生時代に起業を経験していることに注意しましょう。学生だからって何もしないでぼけっとしている人間は結局のところ起業しても会社員をやってもそれまでです。