MSQRDというアプリをご存じだろうか。
日本ではまだなじみのないそのアプリの果たしたアメリカンドリームとは。
Facebookが『MSQRD』を買収
［９日 ロイター］ – 米インターネット交流サイト（ＳＮＳ）大手フェイスブック(FB.O)は、人気のフェイススワップアプリ「ＭＳＱＲＤ」を手掛けるマスカレード・テクノロジーズを買収する。
マスカレードがウェブサイトで発表した。売却額については明らかにしていない。
ＭＳＱＲＤは写真や動画に映し出された顔に動物のマスクをかぶせるなどして楽しむことができるアプリ。フェイスブックにマスカレードが買収された後も単独の製品として存続するという。
Facebookがマスカレードテクノロジーズを買収した。同社の提供するアプリ『MSQRD』はセルフィーのためのアプリで、画面上に映した人物に動物のようなマスクをかけることができ、隣り合った2人の顔を入れ替えることなどもできる。たびたびテレビなどでも紹介され、若者の間では流行っているアプリだ。
『MSQRD』はSnapchatに対抗するためか
Facebookは2013年11月にSnapchatを30億ドルで買収しようとした。しかし、それはスピーゲルに一瞬で断られ、今ではSnapchatの企業価値は160億ドルにおよぶとも言われている。2014年6月17日にはSnapchatのような消えるメッセージを対象としたアプリ『Slingshot』をリリースし、Snapchatの市場を獲りに行ったが、見るも無残にSnapchatには全く及ばなかった。
そして、今回の『MSQRD』はSnapchatに対抗するためと言われている。Snapchatで流行っている遊び方は、セルフィー（自撮り写真）に加工を加えて友達に送ったりするなどのやり方だ。写真に落書きをしたり、動物のような装飾（耳など）を加えて友達に送信する。
そういった機能で言えば、この『MSQRD』はSnapchatよりずっと優れてる。中でも、顔を認識して、2人の顔を入れ替える技術は人気を呼んでいる。下の例では、オードリーの若林氏と春日氏の顔を入れ替えている。
『MSQRD』奇跡のスピードでのバイアウト
実は、この『MSQRD』がリリースされたのは2015年12月18日のことである。つまり、リリースから買収まではわずか4ヶ月も経っていない。リリース3週間でユーザー10万人突破、1ヶ月でユーザー50万人突破、その1週間後にユーザー100万人突破と驚異的な勢いで成長していることが分かる。
そして、本日Facebookに買収された。わずか4ヶ月でまさにアメリカンドリームをつかみ取ったと言えるだろう。マスカレード・テクノロジーズはたった10人で構成されている。買収額は明らかにされていないが、1億ドルを超えているのではないかと推測されている。スタートアップの驚異的なスピードを示す一つのケースとなりそうだ。
